前項の閖上での例のように、積極的に被災地の未洗浄写真を受け入れることを進めていた私たちは、富士フイルム社員やOBだけではなく、
ことについても考えます。当初、プロジェクトメンバーの中には、一般の方々を集めて本当に運営できるのか、そもそも人が集まるのかを危惧する声もありましたが、たった10日程度の募集期間にも関わらず、たくさんの応募をいただき結果として、8月~11月の期間で約1,500人もの参加がありました。
なかにはプロの写真家の方もおられ、参加されたすべての方が、写真が好きで写真を大切に思う方々であったことは、私たちにとってもとても心強いことでした。劣化が進んでしまった写真に対して少しでも良い状態に戻そうと、必死に取り組んでくださる姿に、長年写真に携わってきた企業として、あらためて感謝の気持ちでいっぱいになりました。
10月からは、「わわプロジェクト(※東日本大震災を契機に、絶望をエネルギーに変え、創造力をもって表現・活動する人たちを支えるプラットフォームとして活動を開始)」と共催というカタチで、秋葉原にある「アーツ千代田3331」の教室を借りて、朝から夜まで写真洗浄を実施。過去に写真洗浄に参加したことがある一般ボランティアの方々が洗浄のリーダーを務めてくださいました。
また、写真洗浄に参加された方々が、地元や会社、学校等で写真洗浄ボランティアを立ち上げるケースも出てきました。さらに、そこに参加された方が新しいボランティアを始める等、写真洗浄の輪が全国各地に広がっていきました。
場所はちがってもボランティアの思いは同じ。少しでも早く写真洗浄が終わるよう、富士フイルムでもこれら被災地外のボランティアへの技術指導や情報提供、ポケットアルバム等の資材提供を積極的に行ないました。